俺たちの妹・3
医療関係者が3人もいると、4人全員が揃うことは滅多にないけど、同じ空間に1人頼もしい存在が増えたことは俺にとっても、俺たち家族にとっても良いことだった。


朝は夜勤がない限り一緒に食べることがこの家でのルール。

「俺今日遅出だから、帰り遅くなるよ。みぃ先に寝ててね」

「分かった。葵、頑張ってね」

「私は定時の予定だから、お夕飯一緒に作ろうね、みぃちゃん」

「うん。由奈さんが帰ってくるまでに買い出ししておくね」

いつの間にかこうやって、今日の予定とかを朝に報告し合うのが日課になっていた。

「俺は今日は何もなければいつも通りだけど、急患入ったら遅くなると思う。そのときは由奈に連絡するから」

「うん、ひな兄も、頑張ってね‼」

美晴の元気な声を聞くと、やる気が出るんだよな~。


美晴も最近調子いいみたいだし、少し安心している。


「ひなくん、そろそろ行こう」

「ん、そだな」

時計を確認して、バタバタと家を出る準備を進める。

「「いってきまーす」」
 
「ひな兄、由奈さんいってらっしゃい」
 
「また後でね」

二人に見送られて俺と由奈は家を出た。


車に乗り込み、発進させる。   


「ふふ」

突然由奈が笑いだした。

「ん?どうした?」

「ううん、何だか何気ない時間だけど幸せだなーって」

「あぁ……俺も由奈と毎日一緒に過ごせて幸せだよ」

俺たちは、信号待ちの時にこっそりキスを交わした。
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