俺たちの妹・3
「おはようございます」

小児科のナースステーションで挨拶する。

「おはよう、桃谷さん早速だけど検温よろしくね」

先輩に早速指示される。

「はぁい。行ってきます」

体温計とチェックシートを持って各病室を回る。

各病室の子ども達の表情や様子を見ながら、検温していく。

体調が悪そうな子がいれば、チェックシートに記入して、安静にしておくように伝える。


コンコンコン

「おはよう、体温計るよー」

「あ、さくらちゃんおはよう」
 
子ども達が口々に答えてくれる。

「おはよう。体がしんどい子はいないかな?」

そういはいながら、各ベッドを見回す。

「あれ?舞ちゃんどうしたの?」

ベットから起き上がらず横になったままの舞ちゃん。

「さくらちゃん……」

そう言ったきり、目に涙を浮かべ始めた舞ちゃん。

「体温計ろうね」

舞ちゃんに体温計を挟んで、暫く待つ。

「いつからしんどいの?」

「朝起きてから……舞、今日お家に行くのに……」

そう言って泣き始めてしまった舞ちゃん。

「そうだったね。先生に相談してみよう」

私の言葉を聞いて少し泣き止んだ舞ちゃん。

そりゃ、楽しみにしてたことが取り上げられるのは嫌だよね……
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