俺たちの妹・3
「みぃが出来ることを、すればいいんだからね。気負いしなくていいんだよ」

私の気持ちを感じ取った葵の言葉が暖かい。

「ありがとう。こういう時に出来ること見つけるね」

「うんうん、それでいいんだよ。俺も昔は役に立てなくて切なかったから、みぃの気持ち分かるよ。その時に兄貴に今の俺に出来ることをすればいいって言われて救われたんだ。誰にでも出来ること、出来ないことがあるからね。その人にとって、出来ることを頑張ればいいんだよ」

葵の言葉は優しいな……



それからつーくんはなかなか起きてこなくて……

心配した葵がまた寝室へ覗きに行った。

カチャリ

ドアが開いて、中から葵とつーくんが出てきた。

「みぃも来てくてたんだ。ごめんなー」

「ううん。つーくん大丈夫?」

「朝より熱も下がったし多分、疲れだと思うんだ」

ほんとうか葵をチラッと見る。

小さく頷いた葵が見れたからホッと息をつく。

「はは、信用されてない?」

「体調崩したときのつーくんは信用してない」


「「アハハハハ」」

きっぱり言うと、二人して大笑いされた。

「みぃに信用されてないとか大概ですよ」

「それもそうだな。これからは素直になるよ」

そう言いながら葵に促されてソファーに腰かけるつーくん。

「朝より下がったと言っても、まだ熱は高いですからね。無理はだめですよ」

「大丈夫だって」
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