俺たちの妹・3
pipipipipi…
〔……はい〕
〔小林先生ですか?日向です〕
〔おぅ、朝からどうした〕
〔……葵なんですけど〕
〔葵?まさか体調崩した?〕
〔はい、酷い顔色で熱は37.3度の微熱なんですけど〕
〔疲れだろうな……〕
〔恐らく……今までの研修では、美晴の看病はなかったですからね……〕
〔俺が帰した方がいいか?〕
〔いや、昼に熱測って、38.5度越えたら帰る約束してるんで〕
〔分かった。それより低くても辛そうなら返すよ〕
〔分かりました。お願いします〕


ほんと手の焼ける弟だ。


その日の午後。

小林先生に連れられて、葵が俺のところにやってきた……

やっぱりこうなるよな……

「葵、無理はダメなんだよ」

「無理してるつもりはなかったんだけど……してたんだね」

葵はうな垂れた。

「今日はみぃのところにも行けないな……」

「葵の体力なら、明日には復活出来てるはずだから、今日はゆっくり休むこと。明日、元気になって来てくれたらそれでいいから」

小林先生の言葉に日向は頷いた。

「すみません。明日には復活してきます」

「うん、しっかり食べてしっかり寝ることが今の葵がする事だからな」

小林先生は、葵のストッパーになってくれた。
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