俺たちの妹・3
油断
美晴side…
「どうしよ……」
私は目が覚めた途端、予想外に襲ってきた悪寒と怠さに驚きを隠せなかった……
ここ最近調子のいい時期が長かった事もあり、冬と言う季節なのに油断していたのかも知れない。
調子のいい日が続く前は、家に誰もいないと言う日はなかったんだけど……
葵もひな兄も由奈さんも、ううん病院全体が忙しい日が続いてたみたいで、ここ数日私以外誰もいないと言う日が続いていた。
もちろん、夜には誰かは帰って来てくれるんだけど……
夜までこの家には私一人……
いつもなら何ともないことだけど、体調が悪くなった今、その事が私を不安にさせる……
とりあえず、体を起こしてみる。
クラリ…… ポス……
「~っっ‼‼」
目眩も襲ってきて、ベッドに舞い戻ってしまった……
今、体を無理に動かすのはやめよう……
もう少ししてから……
あまり回らない頭を働かせて、出来ることはしなくちゃ……
ベッドに寝ながらでも手を伸ばせばそれなりに物が届く。
とりあえず体温計……
悪寒がするから、熱が上がりそうだけど、今の体温も把握しとかないと……
ピピ、ピピ、ピピ……
38.3
体温計の表示を見て冒頭の言葉を呟いた。
「どうしよ……」