俺たちの妹・3
車に乗り込み家に向かう。

連絡が着かないなんてあまりないことだ。

今まで最近みぃとゆっくり話せていなかったし、余計に不安に襲われる。


エントランスに車を停めて、急いで部屋へ向かう。

エレベーターの時間がもどかしい……


ガチャガチャ

鍵を開けて家の中へ飛び入る。

「みぃっ‼‼」

「…………」

返事がなくて更に不安になる。

みぃの部屋を覗く。

「みぃっ‼‼」

そこにはベットにぐったりと横たわるみぃの姿があった。

「みぃ、わかる?葵だよ」

そっと抱き上げると異常な熱さが伝わってくる。 

それでもカタカタ震えているみぃ。

意識がなくても寒いのだろう……

体温計で体温を計る。

ピピ、ピピ、ピピ

「うわ……」

体温計の表示は39.8。
 
こんな状態のみぃを一人にしてしまっていたことが辛い。

俺は入院セットを準備して、そっと抱き上げると急いで車に戻った。

ロビーに降りた時にコンシェルジュの中原さんに声をかけられた。

「葵さま、お手伝い必要ですか?」

「すみません、お願いしていいですか?」

「勿論です。座席倒しますね。」

中原さんは助手席の座席を最大まで倒してくれた。

そこにみぃを横たわらす。

「葵さま、お気をつけて」

「ありがとうございました」

車を病院に、出発させた。
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