俺たちの妹・3
「俺、今日当直だから何かあれば連絡するし、いい時間になったら帰りなよ。みぃの場合、長引く事が、多いから体力温存ね」

「……わかりました。今日は帰ります。でも、もう少しだけ居ます」

葵は苦笑しながら答えた。


「みぃ、最近数値悪くなってたんですね……俺、全然気づかなくて……」

葵はみぃの検診での検査結果が悪かった事に落ち込んでいる。

「この季節、いつも免疫力落ちるし、数値は悪くなるんだよ。薬で調節するから、すぐに報告しなかったんだ。みぃも葵が忙しいの分かってたから、先伸ばしにしたかったんだろうな。でも、みぃを責めるなよ。責めるなら俺のことを責めろ。主治医が家族に報告しなかったんだからな」

葵は俺の言葉を聞いて、俺をじっと見つめていた。

「…………はぁ。司さん狡いですよ。俺がみぃや司さんの事責めない事わかってて言うんだから……でも、次からは教えてください。みぃに止められても。知らないままだと普通に過ごしちゃうから……無理させたくないから……」

葵の悲痛な声だった。

「……分かった。ただ、みぃが言わないでと言っていたって事も伝えるから、知らないふりしろよ。じゃないと、俺みぃからの信用なくすからさ……せっかく築き上げた信用なくしたくないから……」

「わかりました。知らないふりします。みぃの事は知っておきたいので、よろしくお願いします。じゃぁ、俺、そろそろ帰ります。何かあれば連絡ください」

「分かった。ゆっくり休めよ。葵が倒れたらもとも子もないからな」

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