俺たちの妹・3
点滴を入れて熱が下がっても終われば再び高熱が出るので、解熱剤の点滴が手放せない状態だ。


「ゲホゲホ……はぁ、はぁ、あ、おい?」

「みぃ?どうした?俺はここにいるよ」

そう言って手をギュッと握ると安心したように微笑んだ。

「葵の存在がみぃちゃんの支えなんだな……」

樹さんから嬉しい言葉。

体調が悪いときには誰か傍にいて欲しいよな……

「免疫力が下がってたから、みぃちゃんには辛い思いさせちゃってるな……」

「咳から喘息が誘発されないか心配です……」

「……だな。HCUに居て正解かもな……。みぃちゃん自分からはナースコール押さなさそうだし」

樹さんのみぃの行動の読みが当たっていて思わず苦笑する。

「忙しいからって遠慮しちゃうみたいですよ」

「意味もなく呼ばれるのは大変だけど、必要な時は呼んで欲しいよな……」

「まぁ、みぃの性格なんで許してやってください」

「許すもなにも、みぃちゃんが辛くならないようにしてあげたいんだよ」



こんな世間話ができたのは、肺炎と診断されてからの初日だけで……


改善されないみぃの症状に、みんな頭を抱える事になった。
< 260 / 429 >

この作品をシェア

pagetop