俺たちの妹・3
「ゲホゲホ……はぁはぁ、ゲホゲホ……はぁはぁ」

みぃは入院してから今日まで、40度近い高熱を出し続けていて、咳も止まらず意識も朦朧としている。

解熱剤が効いている時でも38度後半より下がらず、体力が奪われているのは誰が見ても一目瞭然だ。

「みぃ……」

はぁはぁと、息をするのも辛そうで、ぐったりとしているみぃ。

そっと額に手を置くと高熱時特有の熱さが掌に伝わってくる。

「はぁはぁ………ん……あお……?」

「ここにいるよ。大丈夫。そばにいるから……」

俺の言葉に反応したのか、少し微笑んだみぃ。

こんなときに不謹慎だけど、みぃが高熱で魘されている中でも、俺の名前を呼んでくれることが嬉しいと思ってしまう。


「葵、そろそろ昼休憩終わりの時間だよ」

「樹さん……そうですね。お願いします」

「みぃちゃんもしんどいだろうけど、見守る方も辛いよな……少しでも良くなれば良いんだけど、みぃちゃんはなかなか手強いよ。早く回復出来るように全力を尽くすよ。だから、葵も仕事頑張れ‼」

そう言って樹さんは俺の肩をポンポンと叩いた。

「はい。終わったらまた、来ます」

「無理するなよ‼」

「ありがとうございます」


俺はHCUを後にした。

みぃも頑張ってる。

今俺がするべきことを頑張ろう。

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