俺たちの妹・3
終息

樹side…

みぃちゃんが病院へ運ばれてきてから10日が経った。

最初はインフルエンザとして治療を行っていて、高熱は続いていたものの少しずつ下がり始めていたと思っていたら、ずっと続いていた咳が悪化してきて肺炎と診断した。

合併症になりやすいと聞いていたから気をつけていたんだけど、みぃちゃんは手強かった。

再び、ぐんと上がった熱が下がらず、咳も止まらない状態に体力が奪われているのは明白だった。

「ゲホゲホッ……はぁはぁ……ゲホゲホッ……はぁはぁ」

目の前でぐったりしながら苦しそうに咳き込むみぃちゃん。

俺は少しでも楽になるように、背中をさする。

その背中から伝わる熱さは尋常じゃない。

「はぁはぁ……はぁはぁ……あ、お……?」

高熱で意識もずっと朦朧していて、俺を葵だと思っているのか、”あおい“と言葉が溢れている。

そっと頭に手を当てると、少し安心したように微笑んだ。

一人で寂しかったんだな……

俺の妹も入院中は良く“一人で寂しい、早くお家に帰りたい”と言っていた。

俺の妹も喘息持ちだけど、みぃちゃんほど酷くはなく、大人になるにつれて軽くなってきているが、季節の変わり目等に体調を崩しやすいけれど、今では入院する事は殆どなくなっている。

成長するにつれて、快方に向かう人もいれば、変わらずだったり、酷くなったり……

病状は人それぞれだけど、こうもみぃちゃんばかりしんどい思いをするのも可哀想で仕方がない。

早くなんとか治してあげたいんだけれど、薬が効いてくれないと、どうしようもない……
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