俺たちの妹・3
「……はやく、お家に、帰りたいな……」

「そうだよな。一緒に頑張ろうな」

俺の言葉に微笑むみぃちゃん。

笑顔は弱々しいけれど、意識がはっきりしてきて良かった。

懸念されていた副作用は、食欲不振と頭痛という形でみぃちゃんに現れていた。

熱が下がっている時に、少しずつ食べれそうな物は食べてもらいたいところなんだけど…………

『今は何も食べたくない』

とみぃちゃん本人にはっきり拒否されている。

まぁ、まだ症状も不安定だし無理強いはしないけど、ずっと点滴の栄養ってのも良くない。

回復に向かってもまだまだ課題を残してくれるみぃちゃんだけど、可愛い妹の様な存在だ。


「美晴ー。どう?あ、樹さんお世話になってます」

「ひな兄来てくれてありがとう。日中は熱も下がってるから楽だよ」

「日向、休憩か?みぃちゃん、ここに来た時よりは良くなってるけど、まだ完全じゃないからね。無茶はダメだよ」

俺の言葉を聞いて、苦笑するみぃちゃん。

「もぉ、いっくん……こんなんじゃ、無理も出来ないよ……」 

「美晴がこれだけ話せるようになってるなら、安心だな。由奈も心配してたから、早くいつもの病室戻ろうな」

由奈?もしかして……

「日向、由奈って……」

「あれ?いっくん知らなかったの?ひな兄の彼女だよ」

さらっと爆弾を落とすみぃちゃん。

「マジかっっ‼  日向も遂にシスコン卒業か‼」

「いやいや、樹さん。彼女出来たからって美晴が妹なのは変わらないですから。それに彼女も俺の気持ち理解してくれる人なんで大丈夫です」

「そっか。いい人見つけたんだな」

いや、ほんと良かったよ。

シスコンで拗らせた日向を見てきたから、安心した。
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