俺たちの妹・3
「で、どんな娘?」

俺の質問にクスクスと笑うみぃちゃん。

「え?俺、変なこと言った?」

「ううん、違うの。ケホケホ…… いっくんもきっと知ってる人だから……」

「え?俺の知ってる人なの?ってことは、医療関係者?」

「…………美晴の担当看護師です」

日向がしぶしぶ白状する。

「…………みぃちゃんの担当看護師……」

すぐに思い浮かぶのは、ICUから一般病棟に移るときにいつも対応してくれる前園さん。

え、待って……前園さんのしたの名前って……

「…………もしかして前園さん?」

「ふふ、正解です」

「マジかー。こんな近くに居たんだなー。いやーそれよりほんと良かったよ。なんか安心した」

「いや、俺のことはもういいじゃないですか。美晴も一度眠った方がいいんじゃない?」

日向は俺とみぃちゃんの話に終止符を打ちたいみたいだ。


「ふふ、そうだね……私は一度眠るよ」

みぃちゃんは日向の提案を素直に受け入れた。

こういう所が兄心をくすぐるよな~。

ベッドを倒して、目を閉じたみぃちゃんは、あっという間に眠ってしまった。

「無理して起きてたんっすかね……」

みぃちゃんの寝入りの早さに心配する日向。

「まぁ、まだ日中も熱が完全に下がってる訳じゃないからね。体力使ってるんだと思うよ」

「そうですか……  あー……夜もまだ熱、結構上がってますね。それのせいもあるでしょうね……」

チェックシートを見ながら呟いた日向。
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