俺たちの妹・3
『とりあえず、俺はみぃと葵迎えに行ってくる。病室暖めておいて』

『悪いけどよろしくな』

『可愛い妹の為だから大丈夫だよ』

そう言葉を残して、彼方はみぃを迎えに行った。



『俺は美晴の病室に行きますね。司さん、それまで残ってる仕事済ませてください。ご迷惑掛けました』

ペコリと頭を下げた日向は、みぃの病室へ向かった。

俺は………

みぃが戻ってくるまでに外来を終わらせよう。



『残りの患者さん俺にも回してくれる?』

診察室へ戻って前園さんに声をかける。

『山内先生、今日の外来は終わりましたよ。美晴ちゃん見つかったんですか?』

『病院の近くの公園にいたみたいで、みぃの幼馴染みが見つけてくれたんだ』

『幼馴染みの子は、みぃちゃんが居なくなったこと知ってたんですか?』

『いや、知らないと思う。たまたま通りかかったみたいだから。そこに葵くんが通らなかったらと思うとゾッとする………』

『見つけてくれて良かったですね』

『あぁ。ほんと良かった』

俺は、戻ってきたみぃときちんと話をしなくてはならない。

今の状態で、外に出る危険や、なぜ退院できないのか。

そして、テスト期間の外出許可の事も。

もっと早くに対応するべきだったんだ。
 
ただ、みぃがどう思ってるのか、なかなか話してくれなくて、俺もきっと悩んでたんだな………

でも、みぃの脱走のお陰で、向き合うチャンスを貰えた。

この機会は大切にしないと、今後のみぃとの信用問題に関わってくるよな………

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