俺たちの妹・3
ひな兄の診察室へ行くと、無理はダメだと言われた。

ほんと無理してるつもりなんてなかったんだけどな……

でも、こんな事になってるんだから仕方ない……

ひな兄と小林先生に見送られて病院を出る。

どうやって帰ろうかな……

と思っていたら


「葵っっ‼︎」

駐車場の方から名前を呼ばれた。

視線を向けると、兄貴がこちらに歩いてきていた。

「どうして?」

「日向から連絡もらったんだよ。葵が体調崩してるって。昼休みに帰すから、迎えに来てやってほしいってね。ちゃんと彼方からも許可貰ってるからな」

そう言いながら、俺の体が楽なように支えてくれた。

「兄貴……ごめん」

「何言ってんだよ。兄弟だろ?気にすんな」

兄貴は、俺の頭をワシャワシャと掻き混ぜた。

「とりあえず、家で母さん待ってるから帰ろう」

兄貴の言葉に頷いて、俺は車に乗り込んだ。

乗り込んだ瞬間、襲ってくる脱力感。



さっきまで気を張ってたからな〜

ヤバイな、このまま寝そう……


そんな事を思ってる間に車は出発した。
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