俺たちの妹・3
「さぁ、着いたよ。みぃ」

「葵、運転してくれてありがとう」

「ふふ、どういたしまして」

そう言って俺はそっとみぃにキスを落とす。

みぃは、恥ずかしがりながらも受け入れてくれる。

その事が俺にとっては嬉しい。

手を繋いでエントランスへ向かう。

「お帰りなさいませ、美晴さま、葵さま」

コンシェルジュの中原さんが声をかけてくれた。

「あ、中原さん。ただいま。この前はお手間を取らせてしまってごめんなさい」

みぃは病院へ運ばれた時の事を言ってるんだろう………

「いえ、美晴さまは気になさらないでください。私の仕事ですので」

「でも、中原さんのお陰で助かったと葵から聞いていたので、お礼が言いたかったんです。助けてくださってありがとうございました」

「私こそ、有難いお言葉、ありがとうございます。また何かお困りな事がありましたらお申し付けください」

中原さんは、俺たちに向かって、お辞儀をした。

俺とみぃは顔を見合わせて微笑み、会釈をして歩きだした。

助けてもらった事をきちんとお礼が言えるのは良いことだよな………

そんなことを思いながらエレベーターに乗り込む。


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