俺たちの妹・3
「中原さん、いい人だよね」

みぃはポツリと呟いた。

「さりげなく助けてくれるから、ありがたいね」

「小さい頃からいつも困ったとき助けてくれてるかも」

「そういえば、俺も子どもの頃、オートロックだから入れるはずないのに、自動ドアの前に立ってドアを覗いていたら入れた事あるな………その時は何も思わなかったけど、今思い返せば、中原さんのお陰なのかも」

俺もみぃも小さい頃から中原さんのお世話になっていたんだな………

二人で顔を見合わせながら微笑んだ。




「「ただいまー」」

玄関を開けて家に入る。

「「「「「「おかえりー」」」」」」

沢山の声が聞こえた。


「え?誰かいるの?」

家には誰もいないと思っていたみぃは返事が帰ってきたことに驚いている。

「ふふ、あけてごらん?」

そう言ってリビングに繋がるドアを指差す。

みぃは恐る恐るドアを開けた。

「………うそ」

ドアの向こうには、かな兄、ひな兄、新、由奈さん、司さん、桜がいた。

「「「「「「退院おめでとー」」」」」」

みんなの言葉にみぃの目には涙が溢れてきていた。

「っ………ありがとう」

にっこり笑った瞬間、ポロリと涙が零れた。
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