俺たちの妹・3
「由奈さんの居ない入院生活は……
正直、今から考えるだけで不安なの。私には信頼できる看護師さんが少なくて……私は由奈さんに殆んどさらけ出しちゃってるし、不安定な時に傍に居てくれる人は大切なの……」

そう言った美晴は、俯いてしまった。


「そうか……俺の独断では決めれないけど、一度親父と相談してみるよ。由奈さんはそのまま働くことになっても大丈夫かな?」

父さんが由奈に確認する。

「えっと……」

由奈の視線の先には俺。

「大丈夫。由奈の気持ちを教えて?」

俺の言葉に小さく頷いた由奈。

「……………出来るなら、続けたいです。でもひなくんの反対を押し切ってまでではなかったので……」

「我が家の決まりに従おうと思ってくれていた訳だね」

「はい」

「うちの家族はね、最優先事項は美晴なんだ。美晴の気持ちや体調が不安定になるくらないなら、しきたりなんて、変えてしまえばいいと思うんだ。それくらい大切な存在なんだよ。嫁に来てくれた彩さんも、もちろん由奈さんも新も大切な存在だよ。もし困ったことがあるなら、遠慮せずに教えてほしい。最善を尽くして、いい方向に持っていくように努力するからね」

父さんの言葉は美晴はもちろん、嫁として家族になってくれた彩さんや由奈のことも蔑ろにしていない言葉だった。


「パパっ‼」

そう言って父さんに抱きついた美晴。

「おっと、どうした?」

「パパ、大好き。色々考えてくれてありがとう」

美晴からの告白にさっきまでキリッとしていた顔がふにゃふにゃだ。
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