俺たちの妹・3



そして、その年の春からの研修で俺は小児科に入る事になった。



「この春からお世話になります。谷口葵です。よろしくお願いします」

前期の研修を終えて、院長と医局長と面談し、無事に希望する科に入れる事になった。

澤井先生を始めとする先輩先生方は暖かく迎えてくれた。

「葵、俺は来てくれると思ってたよ」

澤井先生には嬉しい言葉を掛けてもらった。

「ありがとうございます。またご指導よろしくお願いします」

「みぃちゃんとは、あれからもうまく行ってるのか?」

こういうオンオフが出来る先生だから、慕われるんだろうな。

「あ、はい。変わらず仲良くしてますよ」

「くぅー。羨ましいなー」

「澤井先生、みぃは私の親友なんですからね。二人の幸せ奪わないでくださいよ」

桜も便乗して話に乗っかってきた。

「はーい。桃谷さんの目が光って怖いからこの辺にしとくよ」

「ふふふ。司がまた澤井先生と飲みたいって言ってたので、またよろしくお願いしますね」

「お、そうなの?じゃ、また司誘ってみるよー」

澤井先生のフォローも忘れない桜は流石だな。

専門を決めてからの研修はまた一段と勉強になるものばかりだ。
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