俺たちの妹・3
「みぃ。大丈夫だよ」

私の隣に座った葵。

「え?」

「まだ2週間ある。みぃも動ける状態だし、俺達がコントロールすれば、結婚式には出られる。だからそんな顔しないで?」

きっと酷い顔してたんだろうな……

私の隣に座った葵は、私の目を見てしっかり伝えてくれた。

「葵。ありがと。つーくんと葵の言う事しっかり聞くね」

そう言ってにっこり笑った。

「みぃには笑顔が似合うよ」

そう言って、髪を撫でてくれた。

「今日は無理しない様にのんびり過ごそうね」

「はぁい」

そんな言葉を交わして、いつもの、朝の準備が始まった。

今日は、葵は日勤。

夜ご飯には帰ってくる。

「今日は俺が何か買って帰るから、みぃは何もしないでいいからね。何もしない事がみぃが頑張る事だよ」

「……………う、ん」

そうするのが良いとは分かっていても、何もしないって難しい。

「結婚式、出たくないの?」

笑顔だけど、目が笑ってない怖い笑顔で私を見つめる葵。

「っっ‼ 出たい」

そうだよ。結婚式に参加するために頑張らないと。

葵と今日は何もしないと約束をして、玄関まで見送った。

「ほんとに何もしなくていいからね」

「うん」

「みぃが今日頑張る事は、自分の体調と見つめ合うこと」

「少しでもおかしいかなと思ったら、俺でも司さんでもいいから連絡入れてね」

「うん」

「あぁ……一人にするのが心配だよ」

「大丈夫だから!絶対無理しないから!だから葵はお仕事頑張って!」

そう言って背中を押した。

「分かった。仕事終わったらすぐに帰るからね」

そう言って葵は病院へ向かった。

ほんと、心配性だよね葵って……

思わず苦笑してしまった。
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