俺たちの妹・3
でも……

何もしないって難しい。

とりあえず、ソファーに腰掛ける。

でもやっぱり体は正直で……

怠さが襲ってくる。

やっぱり朝に感じた違和感は間違ってなかったんだ。

背もたれに凭れて、体を休めると体が更に重く感じる。

こんな状態で結婚式に参加なんて無理だ。

みんなに迷惑掛けちゃうだけだ………


ケホッ……

少し休んでいたら突然出た咳。

吸入したのに……

自分の体調が思い通りにならなくて不安になる。

ケホッケホッ……

続けて出た咳が更に不安を煽る。

どうしよ……


『少しでもおかしいなと思ったら、俺でも司さんでもいいから連絡していいからね』

今朝の葵の言葉が頭を過った。


piriririri…

❲もしもし❳

ワンコールで出てくれた相手。

❲あ…あさ、吸入したのに咳出てきちゃって……❳
❲そっか。ちゃんと連絡出来て偉いね。俺から司さんに連絡入れるから、みぃは今から病院に来れそう?❳
❲う、うん。大丈夫❳
❲みぃ、タクシー呼ぶから、バスとか使っちゃダメだからね❳

まだ歩けるのにタクシーだなんて

❲途中で発作になったら、バスは停めてくれないよ?❳

そっか……

他の人にも迷惑掛けちゃうね

❲分かった❳
❲10分で着くって。準備出来る?❳
❲大丈夫。お仕事中にごめね❳
❲俺は連絡ちゃんと入れてくれて嬉しいよ。病院で待ってるからね❳
❲うん❳

電話を切って準備を始めた。
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