俺たちの妹・3
今回のお出掛け先は、動物園。

私はあまり行かない場所だけど、あっくんは大好きな場所で、最近涼しくなってきたし、きっと過ごしやすいだろうという事で、今回は動物園に決まったんだ。



私はマスクを付けて、お出かけの準備する。

動物の毛など、発作に繋がる物を体内に取り込まない為には必要なものだから……



葵が運転してくれる車で、動物園に向かう。

「みぃ〜、ゾウさんいるかな〜」

チャイルドシートに座りながらもワクワクが隠せないあっくん。

「ふふ。きっといると思うよ」

「それから〜ライオンとキリンさんもみる〜」

「楽しみだね」

「うんっっ‼︎」

そんな話をしていると、動物園に到着した。

「新。迷子になるからお手て繋ごう」

葵があっくんと手を繋いで歩き出した。

「ぼく、みぃともつなぎたい」

そう言って、小さな手を差し出してくれた。

「ふふ。そうだね、繋ごう」

「あら、若い家族の完成ね」

彩さんが、私達の後ろを歩いていて、笑っていた。

「ふふ。みぃ俺たち家族に見えるんだって。なんか照れるね」

葵は、嬉しそうに笑っていた。






家族……

私と葵の間にあっくんが居るだけでそんな風に見えるんだ……




いつか……葵と………




ダメダメ。

彼女の立場で十分だと思っていたのに、これ以上欲張ったら、バチが当たっちゃうね……

私は、自分の欲張りな思考に思わず苦笑がこぼれた。
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