俺たちの妹・3
「中原さんも来るんだって」

運転中の葵に話しかける。

「そうなの?ホテルの人が色々やってくれるのに?」

「さっき聞いたら言ってたよ」

「へぇ。城之内家のやり方があるのかもね」

「私も詳しくは分かんない」

「ハハ。そうだね」

他愛もない話をしながらホテルに向かった。

しばらく車を走らせると到着した。

「やっぱ、いつ見ても立派なホテルだよなー」

「私はあまり来る機会はないけど、パパやママはパーティとかで使ってるみたいだよ」

「流石、城之内家だな」

ホテルのエントランスを通ってロビーへ進む。

「美晴様、葵様、お待ちしておりました。総支配人の井川と申します。何かお困りの事がありましたら何なりとお申し付けくださいませ」

「今日はよろしくお願いします」

葵と二人で頭を下げる。

「では、お二人共親族控室へご案内致します」

井川さんに案内されて控室へ向かう。

扉を開けると既にパパとママが居た。

「みぃちゃーん、おはよう。体調は大丈夫?」

私を見つけてママが駆け寄ってきた。

「ママ、おはよ。葵とつーくんのお陰で何とか大丈夫だよ」

「よかったわ。それじゃあ、みぃちゃん着替えに行きましょ。葵くんはパパと着替えてね」

そう言って、ママは私の手を引き控室を出た。

「みぃちゃんもおめかししなきゃね」

そう言って連れて来られたのはホテル内の美容室に入る。

「お待ちしておりました。本日担当させて頂きます浅野と申します」

「今日は、私と娘の美晴をお願いね」

「それでは早速、奥様はこちらへお願いします」

そう言って、別室へ促されるママ。

「ちょっと、待って。みぃちゃん、今からドレスと髪型を選ぶのよ。自分の好きなものにしていいからね」

「分かった」

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