俺たちの妹・3
「新、みぃと一緒にここに座ろうか。彩もこっちにおいで」

かな兄は、空いてある席を見つけて、私達を誘導してくれた。

「懐かしい場所だね」

「ありがとう彼方。そうね。あの頃より夫婦らしくなれてるかしら」

「当たり前だろ。新も生まれて、もう一人増える予定だしね」

そう、かな兄と彩さんもここで結婚式を挙げたんだ。

「あの時私初めての結婚式で、すごくドキドキしてたよ」

「ふふ。みぃちゃんも緊張してたのね。私も緊張してたわ。でもそれもいい思い出よ」


「城之内家の親族の皆様、お時間になりましたので、チャペルへご案内致します」

ホテルの人の言葉にみんな移動し始めた。

「さ、俺たちも一緒に行こうか」

「はーい。ママもみぃもあおいもいっしょにいこう」

あっくんの可愛い声が響く。

「ふふ、あっくんも嬉しそうだね」

みんなでチャペルへ向かう。

チャペルは大きなステンドグラスがあって、何回見てもとても神秘的。

「綺麗だね」

「うん、とっても素敵。由奈さんのドレス姿も映えるよね」

「みぃもいつかここで結婚式するんだよね?」

「そうだと思う。みんなここでしてるし。でもいつに「その時の相手は俺だから。手放したりしないよ」

葵はそう言ってギュッと手を握ってくれた。

「っっ!!あ、おい?」

「みぃは俺との未来って、あまり考えてないかも知れないけど、俺は考えてるから。俺はみぃ以外の側に居たくないから」

「っっ!!」


いつに無い葵の真剣な言葉に言葉が詰まる。

「ふふ。何だかこんな厳かな場所に来たら、伝えとかないとって思ってしまったよ」

葵は照れ笑いしてるけど、私には嬉しい言葉だった。

「ありがとう葵」

そう言いうとにっこり笑ってくれた葵だった。
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