俺たちの妹・3
「新、俺とライバルだな」

「うん、ぼくあおいとライバル」

あっさりライバル認定されてしまった。

「ハハハッ。葵、負けられないな」

しかも、かな兄と彩さんにも聞かれてしまった。

「もう、あっくんも葵も私のこと買いかぶりすぎだよー」

「だってみぃ、かわいいもん。ようちえんにはかわいいこあまりいないからなー」

新の発言に周りの大人達はギョッとする。

「新、そんな事いっちゃだめだよ」

彩さんが慌てて否定するも

「だってほんとだもーん」

新本人はどこ吹く風。

まぁ、幼稚園内じゃないしいいか…

「でも、幼稚園ではこんな事言っちゃだめだからね」

「うん、わかってる。いやなきもちになることはいっちゃだめだもんね」

やけに大人びた答えだった。

「もう…」

彩さんも少し諦めた感じだった。



暫くすると、披露宴が始まった。

ひな兄も由奈さんも終始幸せそうだった。

会場全体が幸せな空間だった。

みぃは二人の様子を微笑みながら見つめている。

コース料理が順番に運ばれて来て、俺とみぃは顔を見合わせた。

みぃの分だけ量が少なくなっていた。

と言うより、みぃの為にサイズを小さくして作ってくれたみたいで、量は少ないけど、他の人と全く同じ盛り付けでだった。

きっとひな兄と由奈さんが、みぃも食べ切れる様に配慮してくれたんだろう。

「みぃ、良かったな」

「うん。食べきれないと思ってたから嬉しい」

やっぱり残すのは気が引けるよな。

「今から歓談の時間と致します。お食事等お楽しみください」

司会の方の言葉を聞いてら会場からは話し声が聞こえだした。
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