俺たちの妹・3
ひな兄達が座っている席の近くに人が、沢山集まってお祝いの言葉を伝えたり写真を撮ったりしている。

「みぃも行く?」

俺が聞いてみると

「お料理のお礼も言いたいし、行ってみようかな…」

「じゃぁ、タイミング見て行こうか」

「うん」

人が、疎らになったタイミングで、ひな兄達に近づいた。

「ひな兄」

「おぉ、みぃと葵。今日は、来てくれてありがとね」

「みぃちゃん、葵くんありがとう」

「ひな兄、由奈さんおめでとう。お料理、ビックリしちゃった。ありがとう。すごく嬉しかった」

「ふふ。みぃちゃんにも楽しんでもらいたかったから。それに、まだまだ楽しんで貰わないとね」

何だか由奈さんの言葉が意味深だ。

「由奈さん、ドレスとっても素敵。ね、ひな兄」

「だろー。俺も一緒に選んだんだよ」

ひな兄も嬉しそう。

「ひな兄もカッコいいよ」

「や、俺はいいんだって」

みぃに褒められてひな兄は照れ笑いしてる。

二人と話して更に幸せを分けてもらった気持ちになった。

写真を撮ってもらい、席に戻る。

「ふふ。みんな幸せそうな顔してる」

写真を見返してみぃが呟いた。

「ほんとだ。結婚式って凄いね。たくさんの人を一度に幸せな気持ちにさせてくれるもんね」


「さて、ご歓談中ですが、新婦の由奈さんは、一足先にお時間をいただくこととなる様です。中座のご案内です」

司会の方の言葉が聞こえた。

「新婦の由奈さんの中座のエスコート役には、お母様の純子様よろしくお願いします。どうぞお隣にいらして下さい」

由奈さんのお母さんが呼ばれて、ビックリしながら由奈さんに近づいて、二人で嬉しそうに中座して行った。
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