俺たちの妹・3
病院に着いて、みぃを姫抱きにして診察室へ向かう。

この時間帯は外来も終わってるから、すぐに診てもらえる。

コンコンコン

「はーい、入って」

「失礼します」

「葵、彼方、連れてきてくれてありがとう。こっちに寝かせようか」

そう言って、ベットへ案内してくれる司さん。

そっとベットにみぃを寝かせる。

「みぃ?」

優しく声を掛ける司さん。

「……ん、つ、くん?」

「そうだよ。葵と彼方が連れてきてくれたんだ。無理しちゃった?」

司さんの問に首を振るみぃ。

無理してなかったんだ……

「そかそか。無理しなくて偉かったね。今、どこか辛いとこあるかな?」

「からだ、おもいの」

「他には?」

その問いにも、首を振るみぃ。

「分かった。じゃぁ、診察するね」

司さんは、ゆっくりと診察を始めた。


「喘鳴が聞こえるね。葵も診てくれる?」

「え?俺もですか?」

突然振られて驚く。

「最初に聞いたのは葵だから、今の音と違うのかどうか教えてほしいんだ」

なるほど……

「わかりました。みぃ、診察させてね」

そう言葉を落としてみぃを聴診する。

ホテルで診た時より、少し喘鳴が大きくなっている。

「少し大きくなってます」

「ありがとう。うーん、急激に悪くなってる感じはなさそうだね。普段と違う雰囲気で緊張していたのが溶けて、疲れが出てきたのかも知れないね。ただ、喘鳴が聞こえるのがちょっと引っかかるな。貧血も出てきているみたいだし……」

司さんは、少し考えてから、

「発作止めと貧血を抑える点滴しておこうか。体温は上がってないし、様子見にするよ」

体温計に示された表示は、37.8℃だった。
< 397 / 429 >

この作品をシェア

pagetop