俺たちの妹・3
「今の俺たちに出来る事ってこれくらいですから……」

「それでも気づいてくれて嬉しいよ」

小林先生はにっこり笑って言った。


「さ、そろそろ始めるよ」

医局長がみんなに声をかけてカンファが始まった。


「今いる患者さんの状態を教えて下さい………………………………………………
………………………………………以上で終わります」


ザッと今いる患者さんの状態をみんなで共有出来るように報告し合う。

朝から大事な仕事が一つ終わった。


こうして、毎日研修医として働く日々が続いていた。


救急外来での期間もそろそろ終わり……という頃、まさかの出来事が起こった。











医局の赤いランプが光り、声が聞こえる。

『成人女性喘息発作で呼吸困難に陥り意識混濁、掛かりつけの病院がこちらなので運びます」

ふと、イヤな予感が頭を過ぎった……



『みぃかも知れない……』

「葵………念のため心の準備な。違うかったらそれでいいから」

小林先生もみぃかもしれないと予測している。

違って欲しい……

救急車が到着するまで、そう願うばかりだった。
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