俺たちの妹・3
「みぃ、おはよ」

葵の声で起こされる。

「ん……おはよ」

「体調どうかな?」

葵の問いかけに自分の体調と向き合ってみる。

あ………これ、ダメなやつだ………

「………ちょっと、良くないかも……」

息がしづらい。

私の言葉を聞いて、葵の表情が一気にお医者さんに変わった。

「分かった。診察させてね」

静かに聴診が始まる。

「みぃ?」

「呼吸しづらいよね?」

「……うん」

自分でも分かるくらい呼吸の度にゼイゼイ言ってる。

「これ以上酷くなる前に吸入しておこう」

葵はテキパキと判断してくれて、お家用の大きな吸入器を用意してくれた。

ベットと体の間に枕を入れて凭れやすい様にしてくれて、それから吸入を始めた。

スー…ハー…スー…ハー…

ゆっくり呼吸しながら、薬を体の中に入れる。

ケホッ……スー…ハー…

たまに出てくる咳にビクッとしながら、なんとか吸入が終わった。

葵は、吸入してる間側に居てくれるから安心出来る。


「ちゃんと出来ていたよ。少しはマシになったかな?」

葵の言葉に深呼吸をしてみる。

「うん、吸入前よりしやすくなったよ」

「良かった。もう一度聴診させてね」

葵は素早く聴診してくれた。

「さっきより音は良くなったけど、まだ喘鳴が残ってるから、無理はだめだよ」

「はぁい」

「朝ごはん食べれそう?」

「うーん……ちょっと無理かな」

「スムージーはどう?」

昨日作ってくれたやつだ。

「それなら、飲めそう」

「よし、じゃぁ準備するから、みぃも病院に行く準備してね」

「はぁい」

そっか。

つーくんのとこに行くんだった。

そう思うと気持ちが少しどんよりする。

何か言われるかな……
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