俺たちの妹・3
暫くすると診察が始まり順番に名前が呼ばれ始めた。


「城之内美晴さん、5番の診察室へどうぞ」

つーくんが居てる診察室へ向かう。

コンコン

「どうぞー」

そっとドアを開けるとつーくんが居た。

「おはよ、みぃ」

「つーくん、おはよ」

「昨日よりは体調良さそうだね。座ってね」

私の状態を見てにっこり笑ってくれた。

「朝からどこか辛いところはある?」

「息が少しし辛くて、吸入したらマシになったの」

「そうか。そしたら一度聴診させてね」

そう言ってつーくんは、聴診器をつけ始めた。

冷たくないように温めてくれている。

「よし。じゃぁ、ちょっと少し服めくれる?」

「うん」

服に手をかけて、少し服を上げる。

つーくんの手が伸びてきて、聴診が始まった。

「息吸ってー吐いてー。吸ってー吐いてー」

「じゃ、後ろね」

つーくんがそう言うと、紗希ちゃんが後ろの服をめくるのを手伝ってくれた。

「吸ってー吐いてー。吸ってー吐いてー」

「喘鳴が聞こえるから、発作が出やすくなってるよ。無理はしない事。少しでも無理したら発作に繋がるかも知れないからね。それが守れるなら入院はなしで大丈夫だよ」

「ほんと?」

つーくんから嬉しい言葉。

「うん。だけど、点滴だけしてから帰ってもらおうかな。喘鳴を抑える点滴と…ご飯は食べれてる?」

イタイ所を突いてくるつーくん…

「……今日はスムージーだけ」

「うーん…そっか。ビタミン剤も点滴しておこうか」

つーくんは苦笑していた。

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