俺たちの妹・3

司side…

昨日診察してからどうなるか不安だったけど、今朝一人で歩いて診察室まで来れていたのを見て少し安心しした。

緊張と疲れからだと思うけど、1日で本調子に戻れないのは、みぃ自身も辛いよな。

診察すると、喘鳴はまだ聞こえていたので、発作に繋がる前に薬で抑えておくことにした。

食欲も落ちてしまっているので、酷くなる前に点滴で補っておく。

野上さんに点滴をお願いして、俺は次の患者さんを診察室へ呼び、診察を始めた。
 
暫くすると野上さんが戻ってきた。

「ただいま戻りました。みぃちゃん、点滴しながら少し眠ってます」

「ありがもう。終わる頃にまた見に行ってほしいんだ」

「わかりました」

野上さんは新人の頃にみぃとトラブルがあったけど、野上さんの努力で、みぃとの信頼関係を築けた一人。

みぃと信頼関係を築くのは時間がかかるから、避ける人も多い中で頑張ってくれた事に感謝だな。



一時間後…

「山内先生、みぃちゃんの様子見に行ってきますね」

「よろしく」

野上さんは忘れる事なく、みぃの事を気に掛けてくれていた。

暫くすると二人で戻ってきた。

「みぃ、一度椅子に座ってくれるかな?」

「はーい。さきちゃんありがとう」

みぃのお礼に

「ふふ。私は何もしてないけどね」

野上さんは笑いながら少し嬉しそうだ。

「点滴終わって、息苦しさとかどう?」

「息苦しさマシになったよ」

「それは良かった。最後に聴診させてね」

そう言うと、みぃは小さく頷いた。






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