俺たちの妹・3
兄妹

美晴side...

あの女子会から数週間後……



彩さんの陣痛が始まったと連絡があった。

あっくんが幼稚園に行っている時間だったので、私と葵が代わりに迎えに行く事になって、そのままお泊りの始まりになる。

数日前から前駆陣痛があったみたいで、事前にあっくんの荷物は運び込まれていた。


「みぃ。新のお迎えそろそろ行こうか」

「うん」

葵がいつもより少し早く帰って来てくれて、あっくんのお迎えに一緒に行くことになった。

そんなあっくんの幼稚園は家から歩いて徒歩5分の場所にある所。

かな兄やひな兄、葵や湊くんも通っていた所。

私も入園はしていたけど、入退院ばかりで、あまり通えてなかった場所。

葵とこうして一緒に手を繋いで歩いて登園する事も殆どなかった。

「彩さん、今日中に産まれるのかな?」

「うーん。あっくんの時はそんなに時間掛からなかったって言ってたけど、どうだろうね」

「新も楽しみだろうね」

「ふふ。お兄ちゃんになるって嬉しそうだったもんね」

そんな話をしながら歩いていると、可愛らしい門が見えてきた。

「うわー。変わってないや。懐かしい」

葵のテンションが上っている。

「ほんとだ、変わってないね」

「みぃも覚えてる?」

「私は殆ど通えてなかったけど、この門の所で写真を撮った事があって、その写真は見たことあるよ」

「俺、みぃと幼稚園で会えるのいつも楽しみにしてたんだよなー。毎日先生にみぃが来るか聞いてた」

「そうだったの?」

知らなかった事実。

「そう。でもなかなか会えなくて、母さんや兄貴にみぃの家に遊びに行きたいって言ったこともある」

「ふふ。そんなに思い焦がれてくれてたの?」

「そう。それくらいみぃに会いたかったんだ」
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