俺たちの妹・3
「日向は、自分の気持ちを後回しにするところがあるから、諦めないでね」

「………そうですね」

前園さんの表情から、日向の事をよく分かってる気がした。

「俺は応援してるよ」

「っっ‼︎ ありがとうございます」

前園さんは、顔を真っ赤にさせて、みぃの体温を計り始めた。

こんな前園さんを見るのも悪くないな、と思った。




俺は気を取り直して、診察をする。

喘鳴はまだ聞こえるし、脈も早い。

体温も………まだ高いな。

「前園さん」

「っ!はい」

「みぃ、病室へ運ぼうか」

「そうですね。病室は整えてますので、行きましょう」

2人で、みぃが眠るストレッチャーを押して病室へ向かった。

病室へ着くと、俺はみぃを抱き抱えて、ベッドへ寝かせた。


……体重もまた減るだろうな。

せっかく安定していた体重だけど、今回のでまた減るだろう……

気をつけないと。


俺がこんな事を思っている間、前園さんはみぃの身の回りを整えてくれた。

「私は一度戻ります。みぃちゃんが起きたら、連絡いれますね」

「俺も午後も外来あるから、少ししたら戻るよ。連絡お願いするね」

みぃのナースコールに、“目が覚めたらナースコールして”のメモを貼り付けて、診察室へ戻った。
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