俺たちの妹・3
ナースステーションから前園さんへ連絡があったのは、午後診の最中だった。

「みぃちゃん目が覚めたみたいです。他の先生呼ぶので、外来一度止めますね」

前園さんの行動はテキパキしている。

「よろしく」

俺は、診察室を出て、みぃの病室へ向かった。



「みぃ、入るよ」

病室の扉を開ける。

「あ……つーくん」

ベットに横たわるみぃが声をあげた。

「どう?まだ息苦しさある?」

「う〜ん、少しだけ。でも昨日よりはだいぶマシかな」

「点滴が効いてるかな……」

そっと首元に手をやると、まだ熱さが感じられた。

「みぃ、まだ熱高そうだけど」

「少し怠いけど、大丈夫だよ」

そう言うみぃを横目に、体温を計る。


ピピ、ピピ、ピピ

38.7

「みぃ、まだ高い。大丈夫じゃないよ」

俺の言葉に苦笑いを返すみぃ。

「そんな顔してもダメ。今回の原因は分かってるんだから、当分は動物園禁止ね」

「………………は〜い。あっくん残念がるだろうな」

「新が喜んでも、その後でみぃが体調崩したら意味ないだろう?」

「………………うん」

「違う場所ならお出かけ出来るから。動物園は、彼方と彩さんが連れて行ってくれるよ」

「………………そうだね。私は別の場所にあっくんと行くようにする」

今後のお出かけが、みぃの負担にならないといいけどな……
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