俺たちの妹・3
俺はある決心をした。

「…………あの、司さん」

「ん？どした？改まって」

「…………あの、桜と……」

「桜？」

「桜と付き合おうと思ったきっかけって何ですか？」

「…………日向、お前……」

「…………ハハ、いい歳になって、こんな事聞くのって可笑しいですよね」

「いや、日向のこれまでの行いを俺は知ってるからな。仕方ない事だと思うよ」

そう、司さんは俺が学生の頃の付き合い方を知っている一人だった。

「俺が桜と付き合おうと思ったきっかけは、葵から発破をかけられて、桜からも曖昧な関係は嫌だと言われたからだよ。
でも俺は桜が大人になるまで待つつもりでいたんだ。桜と俺は歳が離れてるからね」

「付き合うまでには、デートとかしてたんですか？」

「ハハ、もちろんだよ。でも社会人と学生じゃ時間はなかなか合わなかったけどな」

「…………そうですか。ありがとうございます」


「それで？日向の思い人は誰かな？」

これだけ話してもらったんだ。

言わないわけにはいかないよな……

「……………………ま…前園さんです」

「…………マジでっ⁈」

「こんな時に嘘なんて吐かないですよっっ」

「そうだよな……ごめんごめん。そうか〜。2人はお似合いだと思うよ俺は」

司さんのにっこり笑う顔を見て、俺はどこか安心したんだ。
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