俺たちの妹・3
怠さから逃れるために、少しだけ目を閉じた。

「新。これをみぃちゃんに渡してきて?」

「わかった」

2人の会話が聞こえる。

「みぃ。これ……できる?」

そう言って渡されたのは体温計……

「あっくん、ありがとう」

そう言って受け取ると、私の事をじっと見つめるあっくん。

『目の前で計れ』という事なんだろう……

受け取った体温計を脇に挟むと、あっくんは、にっこり笑った。




ピピッ、ピピッ、ピピッ

「ママッ」

体温計が鳴ると、あっくんはサッと抜いて彩さんに見せに走った。

頭が重くなってきたので、側にあったクッションに頭を落とし、目を閉じた。

「新、ありがとう」

すぐに彩さんの声が聞こえてきた。

「みぃちゃん…………熱があるわ。今日のお出かけはやめにしましょう。
新も、みぃちゃんが元気な時にお出かけしたいだろうしね」

やっぱり……

「あっくん………ごめんね」

「ぼくは、いつでもみぃとおでかけできるから。だから、はやくなおしてね」

5歳児とは思えない言葉に申し訳なくなった。

きっと、私あっくんに我慢させてる……


そう思うと、涙が溢れてきた。

「ほんとにごめんね……ハァ…ハァ…」
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