俺たちの妹・3
いつもと変わらない日常が続いたある日。

みぃの検診日でもあったその日は、結構忙しくて、俺のサポートしてくれている前園さんも同様忙しかった。

朝から少し顔色が良くないかな…とは思ってたんだけど、いつもと変わりない態度の彼女に俺は安心していた。

午前中の診察の終盤にかかった頃。

ガタッ

という音がして振り返ると、前園さんが、壁に手を押し当てていた。

「前園さん?」

「あ………すみ、ません。ちょっと、立ちくらみが……」

俺はすぐ様近づき、前園さんを椅子に座らせた。

そっと手首を掴み、脈を測ると標準より速かった。

「いつから?もっと早くに気づいてあげれたら良かったのにごめんな」

「いえ……私の体調管理不足です」

「このまま診察しちゃおっか」

「え、でも……患者さんまだ残ってますし……」

「なら、他の人にお願いするよ。ちょっと待ってて」

「え?待ってください」

そんな前園さんの言葉を無視して、俺は電話を掛けた。
< 73 / 429 >

この作品をシェア

pagetop