俺たちの妹・3
そろそろ終わりかな……

点滴が終わる頃を見計らって、そっと覗くと、顔が赤くなっていて、明らかに熱が上がってるのが分かった。

「前園さん……」

俺の呼び掛けに反応した前園さんは、薄っすら目を開けた。

「点滴もう終わるんだけど、体調どう?見た感じ辛そうだけど……」

「ひなた、先生……」

俺の顔を見た瞬間、目に薄っすら涙を浮かべた前園さん。

そっと、おでこに手を当てると熱かった。

「辛いよな。こんな状態じゃ一人じゃ無理でしょ?一緒に帰ろう」

俺の言葉に小さく頷いた彼女。

弱ってる時につけ込むなんて事、ほんとはしたくないんだけど、今回は司さんに仕組まれた事だし仕方ないと、割り切って、使えるチャンスは存分に使おうと思った。

「司さん、前園さん熱もまだ上がりそうだし、心配なので、俺が連れて帰ります」

「分かった。解熱剤の点滴必要なら出すけど」

「お願いします。家にはみぃの分しかないので」

必要な事だけ伝えて、前園さんがいるベッドに戻って様子を見る。

体が小刻みに震えてるから、きっと寒いんだろう……

「体温だけ測るね」

そう言って、体温計を滑り込ませた。


ピピ、ピピ、ピピ、

少しして鳴った体温計の表示には
38.3

なかなかの熱だった。
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