俺たちの妹・3
日向先生に抱き上げられて、奥にあるベッドに座らされた。

それから手首をそっと掴まれた。

いつの間にか診察が始まってる……

「ちょっと瞼触るよ」

そう言って、瞼を下げられる。

「朝から体調悪かった?」

日向先生は、確信を持って聞いている。

「…………はい」

「貧血みたいだけど、他に辛いところある?」

「…………」

私のために貴重な時間を取らせてしまって申し訳ない……

これ以上は迷惑掛けれない。

私はいつの間にか俯いていた。

「…………誰も責めないから言ってごらん?」

日向先生の言葉に顔をあげると、優しい顔をしていて、なんだか安心して涙が溢れてきた。

日向先生が慰めてくれる優しさが嬉しい。

「グス…………すみません。朝から少し頭痛がしてて。でも何時もの事だから市販薬飲んだんですけど、だんだん怠さも増してきちゃって……」

「頭痛持ちなの?」

あ……ついポロっと言ってしまった。

「…………はい」

「市販薬って事は、病院には通ってないんだね」

学生の頃から頭痛がする事がよくあって、市販薬を飲めば落ち着いたので、そのまま特に気にする事もなく過ごしていた。

「学生の頃からなので、市販薬でやり過ごしてます」

日向先生は少し難しい顔をして、頭痛の頻度とか聞いてきていた。

お医者さんだし気になるんだろうな……
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