俺たちの妹・3
「でも今はその頭痛が原因じゃないんだよね?診察していい?」

日向先生の問いかけにコクリと頷いた。

それから問診的な質問をされて、聴診もされた。

「はい、おしまい。音は悪くないし熱と貧血を抑えたら、怠さもなくなるよ。貧血を抑える点滴だけしようか……薬も出すから、点滴終わったら、今日はもう帰った方がいいかな。熱はまだ上がるだろうし、解熱剤出しておくよ」

「ありがとうございます」

お礼を言って、終わりかな……

「…………前園さんは一人暮らし?」

突然日向先生に聞かれて驚いた。

「…………え?そう、ですけど……」

「一人じゃ不安でしょ?俺の家、美晴もいるし……来る?」

まさかのお誘いに思考がついていかない……

はっきりした答えを出す前に日向先生は
笑顔で点滴を刺して側から離れていった。

どうしよ……

まさかの展開になっちゃった………

こんな事に頭を悩ませながらも、身体は休息を必要としていたみたいで、いつの間にか眠ってしまっていた。
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