俺たちの妹・3
「前園さん……」

日向先生の声が聞こえて、ゆっくりと目を開けると、そこには心配そうな顔をした日向先生がいた。

目を開けた時から、身体の怠さが増していて、不安だったけど、日向先生の姿が目に入って、安心して涙が溢れた。

そっと、おでこに手を当てた日向先生は

「辛いよな。こんな状態じゃ一人じゃ無理でしょ?一緒に帰ろう」

日向先生の優しい言葉に思わず小さく頷いてしまった。

頷いた私を見て、日向先生は優しく微笑んでそっと傍を離れた。

身体が怠くて、寒くて何も考えられないや……

「体温だけ測るね」

日向先生の声が聞こえた。



そこから、プツリと記憶がなくて……

気がついたら、知らない部屋に居た。

驚いたけど、身体が重くて動かす元気もなくて……

目だけで、部屋の様子を伺う。

誰の部屋だろ……


「あ、由奈さん目が覚めた?」

そこにはマスク姿のみぃちゃんがいた。

「みぃちゃん?」

「由奈さん、体調悪くてひな兄と一緒に帰ってきたんだよ。
どう?辛いところとかない?」

いつも入院中のみぃちゃんに聞いてる事を聞かれて思わず苦笑する。
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