俺たちの妹・3
すると、ガチャとドアが開いた音がした。
「あ、美晴ダメだって言ったろ?」
「だって、私も由奈さん心配だもん」
「はぁ……あ、前園さん目が覚めたんだね。体調どう?昨日よりは下がってるんだけど、まだ辛いかな?」
「あ……すみません……大丈夫です」
「とりあえず、体温測ろうか」
手渡された体温計を大人しく挟む。
ピピ、ピピ、ピピ
体温計が鳴り、表示を見て固まった。
38.3
うそ……
こんなに熱あったの……
そんな私を見かねてヒョイと体温計を取った日向先生の言葉にまた絶句した。
「うん、まだ高いけど、大分下がったね。昨日はずっと9度台キープしてたから」
え?昨日?
「日向先生っっ‼︎ 」
「ん?どした?」
「昨日って……」
「あぁ、今ね、前園さんが体調崩してから丸一日経ってるよ」
「うそ……私、仕事……」
「こんな熱出して、仕事が出来ると思ってるのかな?由奈ちゃん?」
「っっ………‼︎」
日向先生の黒い笑顔が怖い……
「大丈夫。婦長には体調悪い事伝えてるから、無断欠勤じゃないよ」
日向先生の配慮に安心して気が抜けたのは言うまでもない。
社会人にもなって無断欠勤なんて、私の中ではあり得ない事だったから……