ウソのコイビトになりました
「わ、悪かったよ。彼氏がいるならそう言えよな!」
そんな彼の威圧に負けたのか、男たちは去っていった。
すると、光くんが帰ってきた。
「桜木さん、何かあったの?」
泣きそうな優夢といつもと違う陽斗くんに何かを感じた光くんが2人に尋ねた。
「お前がいない間にコイツがナンパされてただけ」
と、優夢の腕を離す。
「光、ちゃんとそばにいろよ」
そう言うと私の方へ向かってくる。
「行くぞ」
と、陽斗くんが私の手を取り引っ張る。
「う、うん」
それから何も会話がなく、ただただ歩いた。
さっきの3人のただならぬ雰囲気。
あの表情。
気になるとこは沢山あるのに何も聞けなかった。