ウソのコイビトになりました
「ふぅ…。なんとか降る前に着いた」
バイト先に着くと、雨がポツポツと降り始めた。
陽斗くんには悪いけど、降る前についてよかった。
そう思い「こんにちは」と言ってお店に入る。
「あれ?今日は陽斗と一緒じゃないの?」
「うん、なんか用事あるみたいで」
「そっか…。用事ね…」
少し考えるような素振りを見せた気がしたが、すぐに笑顔になった。
「朱里、今日も頑張ろうね!」
「う、うん。頑張ろ!」
気のせいだったのかな?
私は違和感を感じながらも、仕事に集中することにした。