ウソのコイビトになりました
***
光くんは同居していることも知っているらしく、結局送ってもらった。
エレベーターの中で光くんとの会話を思い出す。
『陽斗を責めないでね?俺が無理やり聞き出しただけだから』
『…うん。攻める意味もないし』
『そっか。ならいいんだけどさ。
朱里、絶対に陽斗のこと好きになっちゃダメだよ。傷つくのは朱里だからね?』
光くんの真剣な表情で言う。
『え?……な、なんないよ!借金かかってるし!』
『なら、良かった!
まぁ、もし何かあったら話は聞くから!
このゲームのこと話せる人いないでしょ?』
真剣な表情からいつもの明るい笑顔に変わる。
その笑顔に安心して「ありがとう」といって別れた。