ウソのコイビトになりました
「遅い。いつまで待たせるの?」
「…すいません」
旧校舎の昨日と同じ場所に急いで行くと、伊藤先輩にそう言われた。
いやいや、めっちゃ急いできたけど!
そう言いたいのを抑えて謝る。
「あれ!?うち、アップルティ頼んだのに、ただのリンゴジュースなんだけど!」
と、上田先輩がリンゴジュースを私に突き出す。
「すいません。なかったので」
「はぁ?使えな」
なかったんだから仕方ないでしょ!
こっちが払ってるんだから我慢しなよ!
と思っているいうのが顔や態度に出たのかと、昨日と同じように突き飛ばされた。