ウソのコイビトになりました
「…………ふっ…………さいってい……」
自嘲気味に笑い呟く。
陽斗くんの手を思いっきり振り払い、突き飛ばした。
そして、こみ上げてくるものに耐え陽斗くんを睨みつける。
陽斗くんは驚いた顔をしていた。
「忘れるよ!あんなキスなんか忘れてやる!!」
それだけ言って家を飛び出した。
エレベーターに入ると、耐えていたものが溢れてくる。
こらえようにも堪えられず、少しの間エレベーターの中で泣き続けた。