ウソのコイビトになりました



………どういうこと?




2人から私のいるところは死角になっているらしく、2人は私の存在に気づかない。



「優夢に会いたかった。それが用」




〝優夢〟



陽斗くんは彼女のことをそう呼んだ。
今まで桜木って呼んでたのに。




「な、にそれ…
朱里ちゃんがいるのに何で……

こんなこと朱里ちゃんじゃなくても、誰かに見られたらどうするの…!?離してよ…」



そう言って、泣きそうになりながら手を振り払おうとする優夢に



「ここは人通り少ねーから誰も来ねーよ。

だから、逃げんな」



と言って腕を引っ張り抱き寄せた陽斗くん。


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