ウソのコイビトになりました
美男美女で絵になる2人。
これ以上見てちゃいけないって頭では分かってるのに身体が動かない。
「く、じょうくん…離し、てよ…!」
「陽斗」
「…え?」
「前みたいに名前で呼べよ、優夢」
胸がドクドクと嫌な音を立てる。
「自分、から振ったく、せに…い、まさら、こん、なことしな、いでよ…」
泣くのをこらえながら「離して!」と必死に陽斗くんの腕から逃げようと優夢が暴れる。
そんな優夢を陽斗くんは校舎の壁に押さえつける。
これ以上見ちゃダメ。ここから、逃げなきゃ後悔する。
そんな知らせが聞こえるのに身体は言うことを聞かず、2人に視線は向けたまま固まる。