ウソのコイビトになりました
逃げなかった後悔はすぐにやってきた。
視線の先で、陽斗くんがせつなげな表情で優夢に
――――そっとキスをした……。
その瞬間、心が張り裂けそうなくらいの痛みが襲う。
そして、その時やっと身体が動いた。
初めは一歩一歩ゆっくりだったのが次第に速まる。
そして、いつの間にか逃げるようにして走っていた。
2人は下の名前で呼ぶような仲だった。
抱きしめるような仲だった。
そして……キスするような仲だった。