ウソのコイビトになりました
グチャグチャな頭の中でそのことだけがぐるぐるとまわる。
つまりそれは、きっと……
いや、ほとんど確実に付き合っていたということ。
それがわかった瞬間、今までのことが全て繋がった。
陽斗くんと付き合ったと言った日の優夢の悲しげな顔も。
陽斗くんが文化祭で、優夢をあんな真面目な顔で助けに行ったのも。
雨の日、濡れて帰ってきた陽斗くんのあの表情と言葉も。
全部、こういうことだっんだ。
『…………め…?』
陽斗くんが寝ぼけてキスした時の小さな呟きは「優夢」ってことで、キスしたのは私じゃなくて優夢だと思ったから。